J-SCFIと一緒に今日の相場をやさしく振り返ろう
🌷 このブログについて
このブログでは、投資初心者の方に向けて、今日の日本株で何が起きたのかを、できるだけやさしい言葉で振り返ります。
大切にしているのは、株価が上がったか下がったかだけではありません。
「朝はどう考えたのか」「実際にはどう動いたのか」「そこから何を学べるのか」
この3つを毎日少しずつ確認することで、ニュースと株価のつながりを学んでいきましょう。
🌆 今日の日本株はこんな一日でした
日経平均は+1.10%。しかし、市場全体が同じように上昇したわけではありませんでした。
10月29日の東京株式市場は、朝から値動きの大きい一日となりました。
前日の米国株高や、業績予想の上方修正を発表したアドバンテストへの買いが支えとなり、日経平均は朝方に上昇しました。
ところが、その後はアジア株の動向なども意識され、一時は前日終値を下回る場面がありました。
午後には再び持ち直し、日経平均は最終的に前日比+1.10%で取引を終えています。
一方、東証プライムとスタンダードを合わせた値下がり銘柄は1,560銘柄。全体の51.3%を占めました。
さらに、昨日まで比較的強かった電機・精密と機械は、今日はTOPIX17業種の下位に並びました。
反対に、銀行は+2.54%で17業種中1位となりました。
今日の市場は、日経平均の上昇だけでは読み取れない、業種ごとの大きな違いが見られた一日です。
📊 今日の市場結果

| 項目 | 結果 | 今日の見方 |
|---|---|---|
| 日経平均株価 | +1.10% | 一部の値がさ株の上昇も指数を支えました |
| 値上がり銘柄数 | 1,289銘柄 | 全体の42.4% |
| 値下がり銘柄数 | 1,560銘柄 | 全体の51.3% |
| 変わらず銘柄数 | 190銘柄 | 全体の6.3% |
| 売買代金 | 14.4兆円 | 非常に活発な取引でした |
| ドル円(日中推移) | 157.84円 → 157.85円 | ほぼ横ばい(+0.01円) |
※値上がり・値下がり銘柄数は、東証プライムと東証スタンダードの合計です。
参考として、TOPIXは+0.29%でした。
日経平均の+1.10%と比べると、上昇幅は小さくなっています。
日経平均とTOPIXは、どちらも日本株の動きを示す指数ですが、計算方法や銘柄ごとの影響度が異なります。
そのため、同じ日でも上昇率に差が生まれることがあります。
今日のような日は、日経平均だけでなく、TOPIXや値上がり銘柄数も一緒に見ると、市場の姿がつかみやすくなります。
🔎 今日の「数字だけでは見えないポイント」
① アドバンテスト1社が、日経平均を大きく押し上げました
今日の日経平均を考えるうえで、注目したいのがアドバンテスト(6857)です。
添付のJ-SCFI寄与度データによると、主なプラス寄与は次のとおりでした。
| 銘柄 | 日経平均への寄与度 |
|---|---|
| アドバンテスト | +453.07円 |
| 東京エレクトロン | +116.30円 |
| ソフトバンクグループ | +67.15円 |
この3社の寄与度を合計すると、約636.5円になります。
ここで大切なのは、日経平均への寄与度が大きいからといって、その業界全体が強いとは限らないことです。
実際、アドバンテストは+6.01%でしたが、TOPIX17の電機・精密は−1.07%でした。
同じ業界の中でも、個別企業の決算や投資家の期待によって、株価の動きに差が生まれます。
② 銀行は、業界内の多くの銘柄が上昇しました
今日の銀行セクターは+2.54%で、17業種中1位でした。
さらに注目したいのは、上昇した銘柄の数です。
J-SCFIの集計では、銀行79銘柄のうち76銘柄が上昇しました。
上昇銘柄の割合は約96%です。
これは、一部の大きな銀行だけが上昇したのではなく、銀行業界の広い範囲に買いが見られたことを示しています。
日経平均の上昇を支えたアドバンテストと、銀行セクターの上昇では、値上がりの広がり方が違ったのです。
③ 電機・精密と機械は、前日から様子が変わりました
昨日10月28日の電機・精密は+1.68%、機械は+1.33%でした。
ところが、今日は次のような結果になりました。
| 業界 | 10月28日 | 10月29日 |
|---|---|---|
| 電機・精密 | +1.68% | −1.07% |
| 機械 | +1.33% | −1.70% |
両業界とも、前日の上昇から下落へ転じています。
さらに、電機・精密では260銘柄中69銘柄、機械では202銘柄中53銘柄の上昇にとどまりました。
つまり、今日は業界指数が下落しただけでなく、業界内でも値下がり銘柄が多かったことが確認できます。
昨日の強さが、翌日も続くとは限りません。
今日の市場は、そのことを改めて教えてくれました。
🌤 朝のJ-SCFIを振り返ろう
今朝のJ-SCFIは、市場のお天気を「にわか雨にご注意」、行動指標を【慎重観察】としていました。
朝は、電機・精密の強さが続くか、機械にもその動きが広がるかを注目していました。
夕方の結果と比べてみましょう。
| 朝の観察 | 夕方の結果 |
|---|---|
| 追い風:電機・精密 | 16位・−1.07%。前日の上昇から下落に転じました |
| 中立:機械 | 17位・−1.70%。17業種で最も下落しました |
| 慎重:不動産 | 9位・+0.79%。朝の想定とは異なり、上昇しました |
朝に注目した3業界の平均騰落率は−0.66%でした。
日経平均が+1.10%となった一方、朝の観察対象は全体として弱い動きでした。
今日の振り返りでは、特に2つの点が重要です。
ひとつは、前日に強かった業界が翌日も強いとは限らないこと。
もうひとつは、市場全体が上昇していても、注目していた業界が下落することがあるという点です。
朝の予想は、結果を決めつけるためのものではありません。
予想と異なる動きが出たときに、「何が変わったのだろう?」と考えることが、次の観察につながります。
☀️ 朝のJ-SCFIもあわせて読む
今日の夕方の結果は、朝の予想と一緒に読むと、さらに理解が深まります。
朝の記事では、電機・精密の強さや機械への波及、国内金利と不動産の関係を観察ポイントにしていました。
夕方の結果を見たあとで読み返すと、朝には見えていなかった変化にも気づけます。
朝と夕方を比べながら、少しずつ相場の見方を身につけていきましょう。
🔰 はじめての方へ|J-SCFIのセクター順位とは?
J-SCFIでは、日本株をTOPIX17業種という17の業界グループに分けて観察しています。
たとえば、電機・精密、機械、食品、銀行、不動産などです。
朝は、独自の分析結果をもとに、業界を「追い風」「中立」「慎重」という言葉で表現しています。
これは、初心者の方にも、どの業界に注目しているのかを直感的に理解していただくためです。
夕方には、その業界が実際にどのくらい上昇・下落したのかを順位で示します。
「予想順位」は朝の分析結果、「今日順位」は大引け後の実際の順位です。
この2つは同じものではありません。
また、J-SCFIでは次の3業界を、短期予想の評価とは分けて観察しています。
- 銀行
- 金融(除く銀行)
- 商社・卸売
これらは長期監視セクターです。
金利環境や資金の流れを考えるうえで重要な業界として、短期的な予想の成否とは切り離して見ています。
今日の銀行の上昇も、短期予想が当たったかどうかではなく、国内金利や市場の資金配分を考えるための材料として扱います。
🌱 今日強かった業界・慎重だった業界今日のTOPIX17業種を、実際の騰落率が高かった順に並べました。

| 今日順位 | セクター | 今日の騰落率 | 予想順位 | 予想スコア |
|---|---|---|---|---|
| 1位 | 銀行 | +2.54% | 長期観察 | ― |
| 2位 | 電力・ガス | +1.55% | 4位 | +0.291 |
| 3位 | 金融(除く銀行) | +1.50% | 長期観察 | ― |
| 4位 | エネルギー資源 | +1.19% | 9位 | −0.003 |
| 5位 | 鉄鋼・非鉄 | +1.10% | 5位 | +0.112 |
| 6位 | 食品 | +0.92% | 7位 | +0.029 |
| 7位 | 医薬品 | +0.89% | 12位 | −0.071 |
| 8位 | 小売 | +0.79% | 11位 | −0.069 |
| 9位 | 不動産 | +0.79% | 14位 | −0.097 |
| 10位 | 自動車・輸送機 | +0.59% | 8位 | +0.009 |
※順位はTOPIX17業種の騰落率によるものです。銀行・金融(除く銀行)・商社・卸売は長期監視セクターとして扱い、短期予想の評価対象には含めていません。
今日の上位業界で気になったこと
銀行(1位・+2.54%)
今日の銀行は、値上がりした銘柄の割合が非常に高かったことが特徴です。
国内金利への関心が強まる局面では、銀行の収益環境が注目されることがあります。
ただし、今日の上昇がすべて金利要因によるものだったとは断定できません。
電力・ガス(2位・+1.55%)
電力・ガスも上位に入りました。
前日は−1.47%でしたが、今日は+1.55%と反発しています。
業界の強弱が一日で変わることを示す例として、観察したい動きです。
金融(除く銀行)(3位・+1.50%)
銀行以外の金融業も上昇しました。
ただし、銀行とそれ以外の金融業では、金利変化が業績に及ぼす影響は同じではありません。
一括りにせず、業種の違いを意識することが大切です。
一方、下位では何が起きた?
上位10業種には入りませんでしたが、今日の下位は次のとおりです。
電機・精密:16位・−1.07%
機械:17位・−1.70%
この2業界は、昨日は上位に位置していました。
ところが今日は、業界内の上昇銘柄数も少なく、弱い動きとなりました。
朝に注目した業界ほど、夕方には実際の結果を確認し、考えを更新することが重要です。
🔍 朝の観察銘柄はどう動いた?
今朝のJ-SCFI初動シグナルでは、3銘柄を観察対象として紹介しました。
それぞれの今日の値動きを確認します。
| コード | 銘柄名 | 始値 | 高値 | 安値 | 終値 | 騰落率 | 日経平均差 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 4565 | ネクセラファーマ | 1,416円 | 1,437円 | 1,395円 | 1,421円 | +1.28% | +0.18pt |
| 4684 | オービック | 5,911円 | 6,068円 | 5,823円 | 6,000円 | −0.69% | −1.79pt |
| 4619 | 日本特殊塗料 | 2,679円 | 2,679円 | 2,630円 | 2,635円 | −2.29% | −3.39pt |
| ― | 観察銘柄平均 | ― | ― | ― | ― | −0.57% | −1.67pt |
※騰落率は前日終値比です。「日経平均差」は、各銘柄の騰落率から日経平均の騰落率を引いた値です。
① ネクセラファーマ(4565)
小型株(TOPIX Small)/医薬品/日経平均225採用なし
今日の騰落率は+1.28%でした。
朝の記事では、出来高の増加とRSIの高さに注目していました。
本日の出来高は167万8,800株で、前日の194万4,000株を下回っています。
ただし、株価は前日終値の1,403円から1,421円へ上昇しました。
日中の安値は1,395円、高値は1,437円。終値位置は61.9%で「中立」という評価です。
出来高が前日より減少しても、株価が上昇することはあります。
今後は、出来高と株価の動きがどのように組み合わさるかを観察したいところです。
② オービック(4684)
中型株(TOPIX Mid400)/情報・通信・サービスその他/日経平均225採用なし
今日の騰落率は−0.69%でした。
朝の記事では、出来高の増加やテクニカル指標の変化に注目していました。
本日の出来高は585万3,400株で、前日の369万900株から増加しています。
一方、株価は前日終値6,042円から6,000円へ下落しました。
日中は5,823円まで下げたあと、6,068円まで上昇する場面もあり、値幅の大きい一日でした。
終値位置は72.2%で「中立」という評価です。
出来高が増えたからといって、必ず株価が上がるわけではありません。
売買が活発になっても、買いと売りのどちらが優勢になるかによって結果は変わります。
③ 日本特殊塗料(4619)
市場規模区分不明/素材・化学/日経平均225採用なし
今日の騰落率は−2.29%でした。
朝の記事では、出来高の急増に注目していました。
ところが、本日の出来高は2万9,700株で、前日の12万5,800株から大きく減少しました。
株価は始値2,679円がそのまま日中の高値となり、終値は2,635円でした。
終値位置は10.2%で「安値圏」という評価です。
前日に見られた活発な売買が、今日は続かなかったことが分かります。
出来高の急増は、必ずしも上昇の始まりを意味しません。
翌日以降も売買が続くのか、株価がどの位置で引けるのかを合わせて確認することが大切です。
3銘柄を振り返って
今日の観察銘柄は、1銘柄が上昇、2銘柄が下落しました。
平均騰落率は−0.57%で、日経平均との差は−1.67ポイントでした。
3銘柄とも日経平均225の採用銘柄ではありません。
また、小型株・中型株・規模区分不明と、市場規模も異なります。
そのため、日経平均との比較だけでなく、それぞれの業界や企業固有の材料、出来高の変化を見ることが大切です。
📚 今日の相場から学べること
今日のテーマ:日銀会合を前に、なぜ銀行株が注目されたの?
今日の銀行セクターは+2.54%。
一方、前日に強かった電機・精密と機械は下落しました。
この違いを考えるうえで、注目したいのが金利と企業の利益の関係です。
① 金利が上がると、銀行にはどんな影響がある?
銀行は、預金などで集めた資金を企業や個人に貸し出し、その利息などを収益源としています。
たとえば、銀行が住宅ローンや企業向け融資で受け取る金利が上がると、貸出金から得られる利息収入が増える可能性があります。
このため、市場では一般に、金利上昇が銀行の収益改善につながるのではないかと期待されることがあります。
ただし、ここには大切な注意点があります。
金利が上がれば、銀行の利益が必ず増えるわけではありません。
預金者に支払う金利も上昇する場合がありますし、企業の借入需要が弱まることもあります。
銀行が保有する債券の価格が下落する可能性もあります。
銀行の利益は、貸出金利だけで決まるものではないのです。
② なぜ日銀会合の前に注目されるの?
日本銀行の金融政策決定会合は、今後の政策金利を考えるうえで重要なイベントです。
市場参加者は、実際に政策金利が変更されるかどうかだけでなく、日銀が今後の経済や物価、金利についてどのような考えを示すかにも注目します。
たとえば、将来の金利上昇を予想する投資家が増えれば、実際の利上げが行われる前から、銀行株に関心が集まることがあります。
株価は、現在の業績だけでなく、将来の利益に対する期待でも動くためです。
ただし、今日の銀行株の上昇について、日銀会合への期待だけが原因だったと決めつけることはできません。
今日確認できるのは、銀行セクターが+2.54%となり、79銘柄中76銘柄が上昇したという事実です。
その背景を考える材料のひとつが、国内金利への関心です。
③ 「資金が移った」とは、どういう意味?
株式市場では、ある業界が買われる一方、別の業界が売られることがあります。
こうした動きを、一般にセクターローテーションと呼びます。
たとえば、投資家が将来の金利上昇を意識して銀行株の保有を増やし、別の業界への投資を減らすことがあります。
ただし、今日の銀行株上昇と電機・精密の下落だけで、実際に同じ資金が一方から他方へ移ったと証明できるわけではありません。
資金の流れを考える際には、売買代金、業界内の上昇銘柄数、数日間の変化なども合わせて見る必要があります。
④ 今日の市場から、初心者が学べること
今日のように日経平均が上昇していると、「日本株全体が強い日だった」と感じるかもしれません。
しかし、実際には値下がり銘柄が過半数を占め、電機・精密や機械は下落しました。
一方、銀行は業界内の多くの銘柄が上昇しました。
ここから学べるのは、指数の上昇と、資金が向かっている業界は必ずしも一致しないということです。
明日の日銀会合の結果を確認するときも、「銀行株が上がるか下がるか」だけでなく、次のように考えてみましょう。
政策金利や日銀の説明は、市場の予想と比べてどうだったのか。
銀行だけでなく、不動産や電機・精密など、ほかの業界はどう反応したのか。
そして、その動きは一部の銘柄だけなのか、業界全体に広がっているのか。
ニュース → 業績への影響 → 株価の反応
この順番で考えることが、投資を学ぶうえで大切な習慣になります。
🌸 今日の観察ポイント
今日の市場を、5つの視点で振り返ってみましょう。
- □ 市場全体:日経平均は+1.10%でも、値下がり銘柄が51.3%だったことを確認できた?
- □ 注目業界:銀行が1位となる一方、電機・精密と機械が下位になった違いを見られた?
- □ 朝J-SCFI:朝の追い風・中立・慎重と、夕方の実際の順位を比べられた?
- □ 観察銘柄:3銘柄の株価だけでなく、出来高や終値位置の違いも確認できた?
- □ 今日の学び:金利の変化が銀行の利益に与える影響を、ひとつの可能性として考えられた?
すべて分からなくても大丈夫です。
毎日ひとつずつ、気づきを増やしていきましょう。
⚠️ 注意事項
本記事は情報提供を目的としており、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。
投資判断はご自身でお願いいたします。
企業の最新情報は、必ず公式IR資料等をご確認ください。
🌷 おわりに
今日の東京市場は、日経平均の上昇だけでは説明しきれない一日でした。
アドバンテストのように日経平均を大きく押し上げた銘柄がある一方、電機・精密や機械という業界全体では下落が見られました。
そして銀行では、多くの銘柄がそろって上昇しました。
こうした違いに気づけるようになると、毎日の株価ニュースが少しずつ立体的に見えてきます。
明日は日銀の金融政策決定会合の結果にも注目が集まります。
予想どおりだったかどうかだけではなく、市場が何を期待し、実際にどう反応したのかを一緒に観察していきましょう。
今日も一日、お疲れさまでした。
また明日、J-SCFIでお会いしましょう。🌷

