今日のIR、明日の株価|2026年10月26日(月)
回転寿司のお店で食べる、ふっくらとしたシャリ。
あのシャリを、誰が握っているか考えたことはありますか?
実は、お店によっては「寿司ロボット」が活躍しています。
そして、その寿司ロボットを世界中に販売している日本企業があるのです。
その企業が、鈴茂器工(6405)。
10月26日、鈴茂器工は2027年3月期の業績予想を上方修正しました。
売上高の修正は、わずか+0.5%。
ところが、営業利益の予想は45%も引き上げられました。
なぜ、売上はほとんど変わらないのに、利益は大きく増えるのでしょうか?
今回は、世界に広がる寿司人気と、その裏側で活躍する日本企業を知りながら、明日10月27日の株価を一緒に考えていきましょう。
🍣 ① 回転寿司の裏側に、世界トップクラスの日本企業

寿司ロボットって、どんな機械?
回転寿司店では、たくさんのお寿司を短時間で提供する必要があります。
もし、すべてのシャリを人の手で握っていたら、どうでしょう?
忙しい時間帯には、調理スタッフの負担が大きくなってしまいます。
そこで活躍するのが、寿司ロボットです。
一定の大きさや形のシャリを効率よく作ることで、店舗の作業を支えています。
鈴茂器工は、この寿司ロボットをはじめ、ご飯盛付けロボットや食品工場向けの米飯加工機械などを製造・販売する企業です。
つまり、寿司ロボットだけでなく、ご飯を使う食品ビジネスの省人化を支える会社なのです。
世界シェア74.1%という強み
鈴茂器工が2025年に公表した市場調査によると、2024年の寿司ロボット市場における同社のシェアは次のとおりです。
| 市場 | 鈴茂器工のシェア |
|---|---|
| 日本国内 | 80.9% |
| 世界全体 | 74.1% |
※2024年の販売実績に基づく金額ベースの調査結果です。2026年現在のシェアを示すものではありません。
日本国内では約8割、世界でも約7割を占めるという数字です。
もちろん、オーディオテクニカの食品機器ブランド「AUTEC」や不二精機など、競合メーカーも存在します。
それでも、これほど高いシェアを持つことは、鈴茂器工の競争力を知るうえで重要な材料です。
ただし、世界シェアが高いからといって、今後も必ず売上や利益が増えるわけではありません。
今回のIRでは、実際にどの地域で需要が増えているのか、そして利益につながっているのかを確認することが大切です。
🌏 ② 世界に広がる寿司人気!ロボットの需要はなぜ増える?

海外では、寿司が特別な日本料理としてだけでなく、日常的な食事としても親しまれています。
日本食レストランだけでなく、スーパーマーケットやテイクアウト専門店でも寿司を購入できる地域があります。
さらに、スシローなどの日系回転寿司チェーンも海外展開を進めています。
では、こうした動きが、なぜ鈴茂器工の成長につながるのでしょうか?
🍣 寿司人気だけではない、もう一つの理由
実は、寿司ロボットの需要を考えるうえで重要なのが、人手不足と人件費の上昇です。
例えば、海外で新しい寿司店を開こうとしても、十分な調理スタッフを確保できないことがあります。
また、店舗数を増やすチェーン店では、どの店舗でも一定の品質の商品を提供する必要があります。
そこで、機械を活用して作業を効率化するという選択肢が生まれます。
つまり、鈴茂器工には、
日本食の普及による需要拡大
と、
人手不足を背景とした省人化需要
という、2つの成長機会があるのです。
今回のIRでは、海外の地域ごとに違いが
10月26日の業績修正資料では、海外市場について興味深い説明がありました。
| 地域 | 会社が説明した状況 |
|---|---|
| 東アジア | 日系企業の進出などを背景に、製品需要が想定以上 |
| 欧州 | 現地事業者への営業活動などが進み、需要が想定以上 |
| 北米 | 需要はあるものの、一部製品で供給体制が追いつかない |
特に東アジアでは、日系回転寿司チェーンの進出が今後も続くと見込まれています。
欧州では、新製品の「シート出しのり巻きロボット」について、寿司テイクアウトチェーンへの導入拡大が期待されています。
一方、北米では需要が強くても、供給体制が追いつかず、販売が計画を下回っています。
ここが重要です。
商品を欲しいお客様がいても、十分に製造・供給できなければ、売上にはつながりません。
海外の寿司人気は追い風ですが、企業が成長するためには、その需要を実際の販売につなげる力も必要なのです。
📊 ③ 売上高+0.5%なのに営業利益+45%!何が起きた?
それでは、今回の業績上方修正を詳しく見ていきましょう。
2027年3月期・通期業績予想
| 項目 | 従来予想 | 修正後 | 修正率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 175.80億円 | 176.65億円 | +0.5% |
| 営業利益 | 10.00億円 | 14.50億円 | +45.0% |
| 経常利益 | 10.60億円 | 15.00億円 | +41.5% |
| 純利益 | 6.30億円 | 10.00億円 | +58.7% |

今回、最も注目したいのは、売上高と営業利益の違いです。
売上高の増額は0.85億円。
それに対して、営業利益は4.50億円も増額されています。
🍚 売上があまり増えなくても、利益は増える?
例えば、あるお店で100万円の商品を販売したとします。
そこから商品の仕入れ代、人件費、店舗の運営費などを差し引いて、残ったものが利益です。
同じ100万円の売上でも、費用を抑えたり、利益を確保しやすい商品が多く売れたりすれば、利益は増えます。
鈴茂器工は今回、自社製品を中心とした販売の上振れや、価格改定の効果などによって、利益率が改善する見通しを示しました。
ただし、それぞれの要因が何億円の利益改善につながるのかは開示されていません。
そのため、今回の利益増加を価格改定だけの効果と考えることはできません。
営業利益率はどれくらい改善する?
営業利益率とは、売上高に対して、どれくらい営業利益を残せたかを示す数字です。
| 決算期 | 営業利益率 |
|---|---|
| 2025年3月期 | 約12.1% |
| 2026年3月期 | 約6.4% |
| 2027年3月期・従来予想 | 約5.7% |
| 2027年3月期・修正後予想 | 約8.2% |
※2027年3月期は会社予想から計算した数値です。
前期は、新工場関連の費用や人件費などが利益を圧迫しました。
今回の上方修正では、低下していた収益性が回復する見通しです。
ただし、2025年3月期の営業利益率12.1%には、まだ届いていません。
つまり、今回の発表は、以前の高い利益水準を完全に取り戻したというニュースではなく、利益回復が進むというニュースなのです。
下半期には慎重な材料もある
もう一つ、見落としたくない数字があります。
今回の修正では、下半期の売上高予想が引き下げられています。
| 下半期の業績予想 | 従来予想 | 修正後 |
|---|---|---|
| 売上高 | 93.10億円 | 91.78億円 |
| 営業利益 | 6.50億円 | 8.29億円 |
| 営業利益率 | 約7.0% | 約9.0% |
※通期予想から上半期予想を差し引いた計算値です。
売上高の見通しは下がりましたが、営業利益の見通しは上がっています。
ここからも、今回の上方修正では、販売数量だけでなく利益率の改善が重要であることが分かります。
ただし、実際にこの利益率を達成できるかは、今後の決算で確認する必要があります。
🔍 ④ 好決算なら株価は上がる?8月の反応と今回の違い
ここまで企業の事業と業績を見てきました。
では、営業利益の予想が45%も引き上げられたのですから、明日の株価も大きく上がるのでしょうか?
実は、そう簡単ではありません。
株価を考えるときに重要なのは、市場がすでにどの程度の好業績を期待していたかです。
8月の好決算では、翌営業日に+3.26%

鈴茂器工は8月7日に第1四半期決算を発表しました。
その翌営業日の株価は、次のように動きました。
| 項目 | 株価 |
|---|---|
| 8月7日終値 | 1,074円 |
| 8月10日終値 | 1,109円 |
| 翌営業日の騰落率 | +3.26% |
8月の決算では利益回復が明らかになり、翌営業日の株価は上昇しました。
ただし、今回の状況は8月とは異なります。
すでに株価は約18%上昇している
10月26日の終値は1,269円でした。
8月7日の終値1,074円と比較すると、約18.2%上昇しています。
つまり、利益回復への期待は、すでに株価にある程度反映されていた可能性があります。
一方で、今回の上方修正には新しい好材料もあります。
市場の事前予想を上回った利益
10月23日時点のアナリスト予想と、今回の会社予想を比較してみましょう。
| 項目 | 事前の市場予想 | 今回の会社予想 |
|---|---|---|
| 売上高 | 178.50億円 | 176.65億円 |
| 営業利益 | 12.00億円 | 14.50億円 |
| 経常利益 | 12.00億円 | 15.00億円 |
※市場予想は10月23日時点のIFISコンセンサスです。
売上高は市場予想を下回っています。
しかし、営業利益は市場予想を約20.8%上回っています。
つまり、今回の発表は、
売上高には物足りなさがある一方、利益面では市場の事前予想を上回る内容
と考えられます。
ただし、アナリスト予想は市場参加者全員の期待を表すものではありません。
明日の株価は、こうした材料を投資家がどのように評価するかによって変わります。
🗳️ ⑤ 明日の株価はどうなる?読者投票とJ-SCFI独自予想
ここまで、鈴茂器工の企業分析と業績上方修正を見てきました。
それでは、明日10月27日の株価を考えてみましょう。
🍣 まずは、あなたの予想を教えてください!
10月27日の通常市場終値は、今日の終値1,269円から何%動くと思いますか?
鈴茂器工(6405)の10月27日の株価はどうなる?
- 0%以上〜+5%未満 (100%, 1 票)
- +20%以上 (0%, 0 票)
- +15%以上〜+20%未満 (0%, 0 票)
- +10%以上〜+15%未満 (0%, 0 票)
- +5%以上〜+10%未満 (0%, 0 票)
- −5%以上〜0%未満 (0%, 0 票)
- −5%未満 (0%, 0 票)
投票人数: 1
投票締切:2026年10月27日(火)08:59
🔮 J-SCFI独自予想
今回の企業分析と株価の事前期待を踏まえ、J-SCFIは10月27日の株価上昇を予想します。
| 項目 | J-SCFI独自予想 |
|---|---|
| 対象銘柄 | 鈴茂器工(6405) |
| 予想対象日 | 2026年10月27日(火) |
| 基準終値 | 1,269円 |
| 予想方向 | 上昇 |
| 中心騰落率 | +5.0% |
| 本命レンジ | +2.0〜+8.0% |
| 中心株価 | 約1,332円 |
| 想定株価レンジ | 約1,294〜1,371円 |
※10月27日の通常市場終値を予想しています。想定株価は1円単位に四捨五入しています。
なぜ中心+5%と予想したのか?
今回、上昇を予想した理由は3つあります。
① 営業利益予想が45%引き上げられたこと
売上高の修正は小さいものの、利益率の改善は企業価値を考えるうえで重要です。
② 利益予想が事前の市場予想を上回ったこと
営業利益14.50億円という予想は、事前のアナリスト予想12.00億円を上回っています。
この差が、新たな買い材料として評価される可能性があります。
③ 海外需要が今後の成長につながる可能性があること
東アジアや欧州の需要拡大は、中長期的な成長を考えるうえで注目したい材料です。
一方、8月以降に株価が約18%上昇していることや、下半期の売上高予想が引き下げられていることは慎重材料です。
これらを総合し、中心+5.0%、本命+2.0〜+8.0%と予想しました。
この数値は統計モデルによる算出ではなく、J-SCFI独自の分析に基づく予想です。
🌙 PTSではどう反応している?
独自予想を確定した後、夜間PTSの情報を確認しました。
PTSとは、証券取引所の通常の取引時間外にも株式を売買できる市場です。
10月26日18:15に確認したPTS参考情報
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 通常市場終値 | 1,269円 |
| PTS取引値 | 1,370円 |
| 通常市場終値比 | +101円(+7.96%) |
| PTS高値 | 1,400円 |
| PTS出来高 | 2,000株 |
| PTS売買代金 | 約279万円 |
※18:15はJ-SCFIがPTS情報を確認した時刻です。掲載した取引値・出来高の画面上の更新時刻は17:56です。
PTSでは、通常市場の終値を上回る価格で取引されていました。
ただし、PTSの出来高は2,000株で、通常市場の9,800株より少ない状況です。
PTSと翌日の通常市場では、売買に参加する投資家や注文状況が異なります。
そのため、PTSで上昇しているからといって、翌日の通常市場でも同じように上昇するとは限りません。
なお、J-SCFIの独自予想は18:05に確定しており、PTSを確認した18:15より前です。
PTSの値動きに合わせて独自予想を変更することはありません。
翌日の答え合わせでは、通常市場の終値を使って検証します。
📚 ⑥ 今日のIRから学べること
今回の鈴茂器工を調べると、普段何気なく食べている寿司から、世界で活躍する日本企業の姿が見えてきます。
そして、企業分析には、いくつもの大切な学びがありました。
🍣 身近な生活の裏側にも、投資のヒントがある
回転寿司店で食べるお寿司。
その裏側には、寿司ロボットを開発する企業があります。
私たちが普段利用しているお店や商品から、関連する企業を探してみることも、投資を学ぶ一つの方法です。
📊 売上が増えることと、利益が増えることは違う
今回の上方修正では、売上高予想が+0.5%だった一方、営業利益予想は+45%でした。
企業の成長を考えるときは、売上高だけでなく、利益率にも注目することが大切です。
どれだけ商品が売れているか。
そして、どれだけ利益を残せているか。
この2つを分けて考えることで、企業の業績をより深く理解できます。
🌏 成長市場でも、課題は残る
海外で日本食が広がれば、寿司ロボットの需要も増える可能性があります。
しかし、北米のように供給体制が追いつかなければ、需要を十分に売上へ結びつけられません。
成長する企業を調べるときは、良い材料だけでなく、課題にも目を向けることが大切です。
📈 良い企業と、明日上がる株は同じではない
鈴茂器工は、寿司ロボット市場で高いシェアを持つ企業です。
今回の上方修正も、利益面では市場予想を上回っています。
しかし、その成長がすでに株価に反映されていれば、好材料が出ても期待したほど上昇しないことがあります。
だからこそ、企業の成長と株価への期待を分けて考える必要があるのです。
🔍 明日は答え合わせ
今回のJ-SCFI予想は、上昇・中心+5.0%・本命+2.0〜+8.0%です。
明日10月27日の答え合わせ編では、実際の終値や出来高を確認し、市場全体の動きとも比較します。
予想が当たったかどうかだけでなく、市場が今回の上方修正のどこを評価したのかを一緒に考えていきましょう。
📝 予想・検証記録
| 記録項目 | 日時 |
|---|---|
| IR発表 | 2026年10月26日 15:30 |
| J-SCFI独自予想確定 | 2026年10月26日 18:05 |
| J-SCFIによるPTS確認 | 2026年10月26日 18:15 |
| 読者投票締切 | 2026年10月27日 08:59 |
| 記事公開 | 2026年10月26日 20:28 |
独自予想:上昇/中心+5.0%/本命+2.0〜+8.0%
※PTS確認時刻は、J-SCFIがPTS情報を確認した時刻です。PTSの取引価格が確定した時刻ではありません。
📖 参考資料
- 鈴茂器工株式会社「2027年3月期 業績予想の修正に関するお知らせ」(2026年10月26日)
- 鈴茂器工株式会社「2026年3月期 決算短信」(2026年5月13日)
- 鈴茂器工株式会社「2027年3月期 第1四半期決算短信」(2026年8月7日)
- 鈴茂器工株式会社「寿司ロボット等の市場シェアに関する公表資料」(2025年9月)
- 株予報Pro「鈴茂器工 業績予想・コンセンサス」(2026年10月23日時点)
- トレーダーズ・ウェブ「鈴茂器工 株価時系列」
- Yahoo!ファイナンス「鈴茂器工 株価・夜間PTS情報」(2026年10月26日確認)
⚠️ 投資に関する注意事項
この記事は、企業のIR情報と株価の関係を学ぶための教育・情報提供を目的としています。
特定の銘柄の購入や売却を推奨するものではありません。
株価予想には不確実性があり、実際の株価が予想と異なる可能性があります。
企業の業績予想も、今後の事業環境などによって変更される場合があります。
投資の最終判断は、ご自身の責任でお願いいたします。

