第38回 自社株買いって何?

J-SCFI初心者講座 第38回 自社株買いの仕組みと株主還元について初心者向けに解説するイラスト J-SCFI初心者講座
自社株買いの仕組みと、株主還元としてどんな意味があるのかをやさしく学びます。

会社が「自分の株を買う」仕組みをやさしく学ぼう

前回は「配当性向」から、会社の利益と配当の関係を学びました。

配当は、会社が株主へ利益を還元する方法の一つでしたね。

では、株主への還元は配当だけなのでしょうか?

ニュースでは、ときどき、

「自社株買いを発表」

という言葉が登場します。

「会社が自分の株を買うってどういうこと?」
「それが、どうして株主への還元になるの?」

今回は、自社株買いの仕組みと、株主にとってどんな意味があるのかを一緒に見ていきましょう。

自社株買いの基本を図解した初心者向けイラスト
初心者女性が自社株買いについて最初の疑問を話しているイラスト
J-SCFI先輩が自社株買いの基本を説明しているイラスト

🌷 自社株買いって何?

自社株買いとは、その名前のとおり、

会社が自分の会社の株式を買うこと

です。

普段、株式市場では投資家同士が株を売買しています。

自社株買いでは、その市場などを通じて、会社自身が自分の会社の株を買い戻します。

たとえば、100株ある会社の株のうち、会社が20株を買い戻すようなイメージです。

では、なぜ会社はわざわざ自分の株を買うのでしょうか?

目的はいくつかありますが、初心者講座でまず覚えたいのが、

株主への還元

です。

実際に企業の開示でも、自社株買いは株主還元策として使われています。

ただ、ここで疑問が残ります。

配当なら、株主がお金を受け取るので「還元」という意味が分かりやすいですよね。

自社株買いでは、株を持ち続けている株主に直接お金が配られるわけではありません。

それなのに、なぜ株主還元なのでしょうか?

初心者女性が自社株買いについてさらに質問しているイラスト
J-SCFI先輩がニュース・株価・投資とのつながりを説明しているイラスト

🔍 自社株買いで、株主にはどんなメリットがあるの?

ここが今回、一番大切なところです。

自社株買いによって会社が取得した株は、自己株式になります。

そして会社が取得した自己株式を「消却」すれば、その株そのものをなくすことができます。実際、自社株買いと自己株式の消却を組み合わせて行う企業もあります。

たとえば、会社が100万円の利益を出しているとしましょう。

これを100株で考えると、

1株あたりの利益は1万円。

一方、株数が80株になった状態で同じ100万円の利益なら、

1株あたりの利益は1万2,500円。

会社全体の利益は同じ100万円でも、1株あたりで見た利益は大きくなります。

ここが、株を持ち続ける株主にとって大切なポイントです。

自社株買いによって1株あたりの利益などが高まりやすくなれば、1株の価値を考えるうえでプラスの材料として受け止められることがあります。

これが、自社株買いが株主還元の一つとされる理由です。

ただし、一つ注意があります。

「自社株買いをしたら、必ず発行済みの株数が減る」わけではありません。

会社が買った自己株式を保有し、株式報酬やM&Aなどに利用するケースもあります。実際に、自己株式をそうした目的で保有する方針を示している企業もあります。

そのため、

自社株買い=必ず株価が上がる

と考えるのも早すぎます。

自社株買いの規模や目的、取得した株をどう扱うのか、会社の業績などによって、投資家の受け止め方は変わります。

ニュースで「自社株買い」と見たら、まずは、

「会社が自分の株を買うんだ」

そして一歩進んで、

「どのくらい買うのかな?」

と考えられれば、今回の学習は十分です。

初心者女性が自社株買いを理解したことを話しているイラスト
J-SCFI先輩が今日のポイントをまとめているイラスト

⭐ 今日のまとめ

  • 自社株買いとは、会社が自分の会社の株式を買うこと
  • 自社株買いは、株主還元の一つとして行われることがある
  • 株数が少なくなれば、同じ利益でも1株あたりの利益は大きくなる

🌤 J-SCFI 今日のキーワード

自己株式

会社が自社株買いなどで買い戻し、会社自身が持っている自社の株を「自己株式」といいます。

買い戻した株は、すぐになくなるわけではありません。会社がそのまま持っておくこともあれば、「消却」といって株そのものをなくすこともあります。

自社株買いのニュースでは、「買い戻した株をその後どうするのか」を見るときに登場する言葉です。

☕ J-SCFI先輩から一言

「自社株買い○億円」と聞くと、金額が大きいほどすごく見えますよね。でも、会社の大きさが違えば同じ金額でも意味は変わります。僕なら**「発行済株式の何%くらい?」**まで確認します。割合を見ると、その会社にとってどの程度の規模なのかが分かり、金額の大きさだけで読み違えにくくなりますよ😊

実際の企業開示でも、取得上限とともに「発行済株式総数(自己株式を除く)に対する割合」が示される例があります。

📚 今日の復習

Q1. 自社株買いとは、どんなこと?

A. 株主がほかの会社の株を買うこと
B. 会社が自分の会社の株式を買うこと
C. 会社が新しい株式を発行すること

Q2. 自社株買いが行われる目的の一つとして、本文で紹介したものは?

A. 株主への還元
B. 株式市場を休みにする
C. 会社名を変更する

Q3. 株数が少なくなり、会社の利益が同じだった場合、1株あたりの利益はどうなる?

A. 小さくなる
B. 変わらない
C. 大きくなる

答えはブログ本文の中にあります。
もう一度振り返りながら探してみてください😊

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J-SCFI初心者講座 INDEX

第1回から順番に学び直したい方はこちらから。

📖 次回予告

自社株買いから、配当とは違う株主還元の方法があることを学びました。

では、そもそも**「株主還元」**とは、どんな考え方なのでしょうか?

次回は「株主還元って何?」を学びます。

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