J-SCFIと一緒に今日の相場をやさしく振り返ろう
🌷 このブログについて
このブログは、投資初心者の方が「ニュース → 株価 → 投資の考え方」を少しずつ学べるように、毎日の日本株をやさしく振り返るブログです。
朝のJ-SCFIで考えたことが、夕方にはどのような結果になったのでしょうか。
予想が当たったかどうかだけではなく、予想と実際の違いから、次に役立つ発見を一つずつ積み重ねていきます。
🌆 今日の日本株はこんな一日でした
11月4日の日本株は、朝から大きく揺れ動く一日となりました。
日経平均株価は前営業日比893円23銭安の62,188円63銭(−1.42%)。3営業日続落です。
午前中はAI・半導体関連株を中心に売りが広がり、前引けでは前営業日比2,246円50銭安(−3.56%)まで下落しました。
米国中間選挙を巡る政策への警戒が売り材料として報じられましたが、午後には買い戻しの動きも見られ、日経平均は日中安値から大きく値を戻しました。
ここで一つ、気になることがあります。
日経平均が安値から大きく戻したのなら、日本株全体も回復したのでしょうか?
今日は、この疑問を市場の内部データから確かめていきましょう。
📊 今日の市場結果

| 項目 | 詳細結果 |
|---|---|
| 日経平均株価 | 62,188円63銭(−893円23銭/−1.42%) |
| 値上がり銘柄数 | 755銘柄(24.6%) |
| 値下がり銘柄数 | 2,161銘柄(70.4%) |
| 変わらず銘柄数 | 155銘柄(5.0%) |
| 売買代金 | 11.06兆円 |
| ドル円(日中推移) | 158.63円 → 158.08円(0.55円の円高方向) |
※値上がり・値下がり銘柄数は東証プライム・スタンダードの集計です。
市場全体の動きを示すTOPIXも−0.89%となりました。
売買代金は11.06兆円と活発でしたが、取引が多いことは必ずしも株価が上昇することを意味しません。
🔎 今日の「数字だけでは見えないポイント」
日経平均は大きく戻したのに、なぜ値下がり銘柄が7割もあったのでしょうか?
今日の日経平均は、一時60,030円10銭まで下落した後、62,188円63銭で取引を終えました。
安値から終値までの戻り幅は2,158円53銭です。
日中の高値・安値のどちらに近い位置で終わったかを示す「終値位置」も70.2%でした。
この数字だけを見ると、午後には市場全体がかなり回復したように感じるかもしれません。
ところが、個別銘柄の結果は異なります。
東証プライム・スタンダードの騰落状況
● 値上がり 24.6%
● 値下がり 70.4%
変わらず 5.0%
実に約7割の銘柄が値下がりしていました。
その一方、日経平均の下落寄与度を見ると、アドバンテストが−258.90円、東京エレクトロンが−172.93円、ソフトバンクグループが−114.08円でした。
この3銘柄だけで、日経平均を合計545.91円押し下げる方向に寄与しています。
日経平均は225銘柄で構成されていますが、個々の銘柄が指数に与える影響は均等ではありません。
つまり、今日確認できたのは、日経平均には午後の大きな戻りがあった一方、個別銘柄では下落が広範囲に残っていたということです。
指数の回復と市場全体の回復は、必ずしも同じではありません。
🌤 朝のJ-SCFIを振り返ろう
今朝のJ-SCFIは、相場のお天気を「にわか雨にご注意」、行動指標を「慎重観察」としていました。
朝の予想材料には、ドル円の円安方向への動きと、前夜のナスダック上昇(+0.83%)がありました。
これらをもとに機械や電機・精密を比較的強く評価していましたが、実際の結果は大きく異なりました。
| 朝の観察 | 夕方の結果 |
|---|---|
| 追い風:機械 | 14位(−1.62%) |
| 中立:電機・精密 | 15位(−2.32%) |
| 慎重:情報・通信・サービスその他 | 11位(−1.02%) |
朝の3セクター平均騰落率は−1.65%でした。
J-SCFIの総合評価は50点です。
方向判定は一致しましたが、強いと予想した業界が実際には下位となり、業界の強弱判断には課題が残りました。
朝の材料は、あくまでその時点で考えられる可能性です。実際の市場では、取引時間中に新しい情報や売買の動きが加わります。
今回の結果は、朝の予想をそのまま信じるのではなく、夕方の実績と比較する大切さを示しています。
☀️ 朝のJ-SCFIもあわせて読む
朝の記事では、為替や米国市場の動きから、日本株のどの業界に追い風が吹きそうかを考えました。
夕方の結果と読み比べると、朝の見通しがどこで変わったのかを確認できます。
🔰 はじめての方へ|J-SCFIのセクター順位とは?
J-SCFIでは、日本株を17の業界に分けた「TOPIX17」の分類を使い、朝の予想と夕方の実績を比較しています。
「予想順位」は朝の分析で強さが期待された順番、「今日順位」は実際の騰落率による順番です。
ただし、業界の順位が高くても、その業界に属するすべての銘柄が値上がりするわけではありません。
また、銀行・金融(除く銀行)・商社・卸売の3業界は長期観察の対象とし、短期予想の採点から除外しています。
業界順位は売買の推奨ではなく、市場の変化を学ぶための指標です。
🌱 今日強かった業界・慎重だった業界

| 今日順位 | セクター | 今日の騰落率 | 予想順位 | 予想スコア |
|---|---|---|---|---|
| 1位 | 不動産 | +1.57% | 10位 | −0.071 |
| 2位 | 運輸・物流 | +1.03% | 11位 | −0.106 |
| 3位 | 商社・卸売 | +0.92% | 長期観察 | ― |
| 4位 | 小売 | +0.63% | 9位 | +0.011 |
| 5位 | 金融(除く銀行) | +0.10% | 長期観察 | ― |
| 6位 | 電力・ガス | −0.22% | 6位 | +0.092 |
| 7位 | 医薬品 | −0.24% | 8位 | +0.033 |
| 8位 | 銀行 | −0.28% | 長期観察 | ― |
| 9位 | 食品 | −0.32% | 5位 | +0.147 |
| 10位 | 自動車・輸送機 | −0.48% | 13位 | −0.225 |
※順位表は上位10業界を掲載しています。
1位の不動産は、本当に業界全体が強かったのでしょうか?
今日の不動産セクターは+1.57%で1位でした。
TOPIXの−0.89%に対して、2.46ポイント上回っています。
しかし、構成113銘柄のうち値上がりしたのは39銘柄。上昇比率は約35%でした。
つまり、業界の指数は上昇していても、過半数の銘柄が値上がりしたわけではありません。
では、1位という結果は、一部の銘柄だけが押し上げたものなのでしょうか。
ここで役立つのが、業界内の「真ん中あたりの銘柄」の動きを調べる中央値です。
不動産の中央値騰落率は、市場全体の中央値を0.39ポイント上回っていました。
さらに、TOPIXとの差は直近10営業日のうち8営業日でプラスでした。
これらを合わせると、不動産は今日だけの指数上昇ではなく、直近の期間でも市場に対して比較的強い日が多かったと分かります。
ただし、業界全体に買いが広がったとまでは言えません。
では、値上がりが最も広がった業界は?
今日、値上がり銘柄の比率が17業界で最も高かったのは、実は4位の小売でした。
292銘柄中114銘柄が上昇し、上昇比率は約39%です。
不動産の約35%を上回っています。
小売の中央値騰落率も市場の中央値を0.54ポイント上回りました。
指数の順位が1位の業界と、値上がりが最も広がった業界は異なっていたのです。
今日の業界分析から分かるのは、順位だけでなく、業界内の何社が上昇したかまで見ることで、相場の姿がより具体的になるということです。
🔍 朝の観察銘柄はどう動いた?
朝のJ-SCFIでは、出来高や株価の変化をもとに3銘柄を観察対象としていました。
| コード | 銘柄名 | 始値 | 高値 | 安値 | 終値 | 騰落率 | 日経平均差 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 9832 | オートバックスセブン | 1,576円 | 1,607円 | 1,562円 | 1,562円 | −0.63% | +0.79pt |
| 9065 | 山九 | 1,699.5円 | 1,732円 | 1,695.5円 | 1,719円 | +1.11% | +2.53pt |
| 4620 | 藤倉化成 | 1,154円 | 1,162円 | 1,091円 | 1,134円 | −2.32% | −0.90pt |
| ― | 観察銘柄平均 | ― | ― | ― | ― | −0.61% | +0.81pt |
3銘柄のうち上昇したのは1銘柄でしたが、平均騰落率は日経平均の−1.42%を上回りました。
ここでは、唯一上昇した山九を取り上げ、もう一段深く確かめてみましょう。
山九(9065)は、なぜ今日の観察対象として学びがあるのでしょうか?
山九は、TOPIX Mid400に分類される中型株です。日経225には採用されていません。
今日の騰落率は+1.11%で、日経平均を2.53ポイント上回りました。
ここで気になるのは、山九だけが特別に強かったのか、それとも所属する業界全体が強かったのかという点です。
山九が属する運輸・物流セクターは、今日+1.03%で17業界中2位でした。
山九は所属業界を0.08ポイント上回っていますが、差は大きくありません。
つまり、山九の上昇は、所属する運輸・物流セクターの強さとおおむね一致していたと見ることができます。
さらに運輸・物流セクターは、TOPIXとの差が+1.92ポイント。直近10営業日のうち6営業日でTOPIXを上回っていました。
ただし、業界内で値上がりしたのは101銘柄中35銘柄です。
業界指数が上昇していても、すべての銘柄が強かったわけではありません。
山九自身の終値位置は64.4%で、一日の値幅の中では中間よりやや高い位置で取引を終えました。
今回の観察から学べるのは、個別株の上昇を評価するとき、市場全体との比較だけでなく、所属する業界との比較も必要だということです。
なお、朝の観察指標が山九の上昇を引き起こしたと判断できる資料はありません。観察結果と株価変動の原因は分けて考えます。
📚 今日の相場から学べること
悪いニュースなのに株価が戻る?「材料出尽くし」の考え方
今日の日経平均は、前場に大きく下落した後、午後には安値から2,000円以上戻しました。
このような動きを理解するために知っておきたい言葉が「材料出尽くし」です。
株式市場では、悪い出来事が起こる前から、それを心配した投資家が株を売ることがあります。
ところが、実際に結果が明らかになると、それ以上の悪材料が出るかどうかという不安が薄れ、売っていた投資家が買い戻す場合があります。
これが、悪材料が出た後でも株価が持ち直す仕組みの一つです。
今日の市場メモでも、米国中間選挙を巡る報道と買い戻しの動きが取り上げられています。
ただし、今日の反発が選挙結果による不透明感の解消だけで起きたと断定することはできません。
また、「材料出尽くし」は、悪いニュースが出れば必ず株価が反発するという法則ではありません。
予想以上に悪い結果が出れば、下落が続くこともあります。
そこで初心者の方に覚えていただきたいのは、次の違いです。
「ニュースが悪い」ということと、「これから株価が下がる」ということは、同じ意味ではありません。
株価には、すでに投資家の期待や不安が織り込まれている場合があるからです。
そして、今日のように日経平均が大きく戻したとしても、市場全体の約7割が値下がりしていた事実は変わりません。
ニュースの内容、指数の動き、個別銘柄の広がり。この3つを分けて確認することが、相場を理解する第一歩です。
🌸 今日の観察ポイント
□ 市場全体
→ 日経平均は安値から戻すも、約7割の銘柄が下落
□ 注目業界
→ 不動産が1位、上昇の広がりは小売が最大
□ 朝J-SCFI
→ 方向への警戒は一致、強い業界の予想には課題
□ 観察銘柄
→ 山九は市場と所属業界をともに上回る結果
□ 今日の学び
→ 材料出尽くしと市場全体の回復は分けて考える
⚠️ 注意事項
本記事は情報提供を目的としており、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。
投資判断はご自身でお願いいたします。
企業の最新情報は、必ず公式IR資料等をご確認ください。
🌷 おわりに
今日は、日経平均が大きく戻しても、市場全体が同じように回復したわけではないことを学びました。
一つの数字だけでは見えない相場の姿があります。
明日もJ-SCFIと一緒に、ニュースと株価のつながりを少しずつ確かめていきましょう。

