第45回|「織り込み済み」って何? 良いニュースでも株価が上がらない理由

良いニュースでも株価が上がらない理由を、あかりさんと先輩が学ぶJ-SCFI初心者講座第45回 J-SCFI初心者講座


J-SCFI初心者講座|第3章 ニュースと株価のつながりを学ぼう

🌷 ニュースが出た。その次は?

期待していたニュースが、ついに発表された。

先回りして株を買っていた人にとっては、待ちに待った瞬間です。

ところが、あかりさんは少し違うことが気になりました。

ニュース発表前に株を買った人は、その後どうするのかを先輩に尋ねるあかりさん

先輩から返ってきたのは、答えではなく質問でした。

あかりさんは少し考えると、ノートを開きます。

自分がその投資家だったら、どうするだろう?

✏️ 利益100の会社が、120になりそうだったら?

例えば、ある会社が公表している利益予想は「100」。

でも、あかりさんはニュースや会社の状況から、実際には「120」になりそうだと考えました。

もし自分が投資家なら、正式な発表を待たずに買いたくなるかもしれません。

利益予想100と120をノートに書き、発表前に買う投資家の心理を考えるあかりさん

そして、決算発表の日。

会社が発表した利益は「120」。

あかりさんの予想は、ぴったり当たりました。

普通なら、うれしいニュースです。

ところが――。

予想どおりの利益が発表されても期待は変わらないことに気づくあかりさん

あかりさんのペンが止まりました。

120になると期待して、すでに株を買っていた。

それなら、120という発表を聞いても、予想が変わったわけではありません。

予想が当たることと、発表後に新しく買いたくなることは、同じではない。

あかりさんは、その違いに気づき始めます。

🔍 「織り込み済み」――ニュースより先に動く株価

先輩は、あかりさんのノートに目を向けました。

発表前の期待が株価に反映される「織り込み済み」を説明する先輩

これが、株式投資でよく使われる「織り込み済み」という考え方です。

株価は、会社が正式に発表した結果だけで決まるわけではありません。

投資家が「これから業績が良くなりそうだ」と期待して買えば、その期待が発表前から株価に反映されることがあります。

例えば、利益が100から120に増えると多くの投資家が予想し、すでに買い進めていた場合。

実際に120と発表されても、市場にとっては予想どおりの結果かもしれません。

そのため、良い決算が発表されても、株価が大きく上がるとは限らないのです。

ただし、織り込み済みだから必ず横ばいになる、あるいは下がる、という意味ではありません。

どこまで期待が株価に反映されていたかは、簡単には分からないからです。

🌱 あかりさんが気づいた、もう一つの見方

これまで、あかりさんはニュースを見て、まず「良い内容かな?」「悪い内容かな?」と考えていました。

でも、それだけでは足りないのかもしれません。

同じ利益120の発表でも、100を予想していた人と、120を予想していた人では、驚きの大きさが違います。

良いニュースだけでなく、事前の市場の期待も大切だと気づくあかりさん

あかりさんの表情が、少し明るくなりました。

ニュースを見るときの視点が、また一つ増えたのです。

大切なのは、発表された数字だけを見て結論を急がないこと。

「その数字を、市場はどのくらい期待していたのだろう?」

そんな問いを持つことが、株価の動きを考える第一歩になります。

📱 今度のニュースは、予想を大幅に上回った!

そのとき、あかりさんのスマートフォンに新しい決算ニュースが届きました。

さっきまで考えていた会社とは、別の会社です。

あかりさんは画面を見て、先輩に声をかけました。

事前予想を大幅に上回る別の会社の決算ニュースをスマートフォンで先輩と確認するあかりさん

今度は、事前の予想を大幅に上回る利益が発表されたようです。

先ほどの「期待どおりの120」とは、何かが違います。

あかりさんはスマートフォンを持ったまま、先輩の顔を見上げました。

スマートフォンを手に、予想を上回る決算発表後の株価がどう動くのか疑問を抱くあかりさん

――つづく。

📚 今日の学び|「織り込み済み」とは?

織り込み済みとは、将来の出来事や業績への期待などが、すでに株価に反映されている状態を指します。

例えば、好決算を期待した買い注文によって、発表前から株価が上がっている場合があります。

実際の決算が良くても、市場の期待どおりであれば、発表後に大きく上昇するとは限りません。

ニュースを見るときは、「何が発表されたか」と「事前に何が期待されていたか」を分けて考えてみましょう。

※本記事は投資初心者向けの学習コンテンツです。利益100・120は説明用の架空の数値です。特定銘柄の売買を推奨するものではありません。株価はさまざまな要因で変動します。

📚 あかりさんの物語を続けて読む

◀ 前回|第44回「期待で株価が動くってどういうこと?」

良いニュースが出る前に、なぜ株価が上がるのでしょうか。

あかりさんが、投資家の「期待」と「買い注文」のつながりを発見するお話です。

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▶ 次回|第46回「サプライズって何?」

予想どおりの決算と、予想を大きく上回る決算。

その違いは、株価にどう表れるのでしょうか?

あかりさんと一緒に、次の謎を追いかけます。

※第46回公開後にリンクを追加します。

この講座は投資の仕組みを学ぶためのもので、特定の銘柄の売買を勧めるものではありません。

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