10月23日(金)、長野計器(7715)が2027年3月期の業績予想を大幅に上方修正しました。
経常利益の予想は64億円から102億円へ、59.4%の引き上げです。好調の背景には、半導体工場を支える圧力センサの需要増加がありました。
一方、長野計器の株価は10月23日まで下落傾向でした。
業績は大幅改善。それでも株価は下落中。月曜日、市場はどう評価するのでしょうか?
今回は、3銘柄から長野計器を選んだ理由、好調な商品の仕組み、前回決算とのつながりを確認し、J-SCFI独自の株価予想を考えます。
🔍 なぜ長野計器を選んだの? ― 3銘柄からの選定過程
10月23日の引け後に発表されたIRから、次の3社を比較しました。
| 候補銘柄 | IRの内容 | 注目したポイント |
|---|---|---|
| 長野計器(7715) | 通期経常利益予想を59.4%上方修正 | 製品需要と利益改善の関係を詳しく検証できる |
| 川崎汽船(9107) | 通期経常利益予想を40.7%上方修正 | 海運市況と将来利益の持続性が焦点 |
| パーク24(4666) | 通期純利益予想を下方修正 | 本業の収益力と特別損失の違いを学べる |
今回の選定では、上昇しそうな銘柄を機械的に選んだわけではありません。
「IRの影響が大きいか」「業績変化の理由を調べられるか」「翌営業日の株価反応から何を学べるか」という3つの観点で比較しました。
その結果、長野計器を選びました。
理由は、経常利益の上方修正幅が大きいことに加え、前回決算の受注状況から今回の改善につながる手がかりを確認できたためです。
さらに、株価は10月14日の4,440円から23日の3,780円まで約14.9%下落しています。
業績の改善と株価の下落が同時に起きている。 この違いを考えることが、今回の学習テーマです。
📢 何が発表されたの? ― 売上以上に利益が伸びる理由
長野計器は10月23日15時30分、2027年3月期の連結業績予想の修正を発表しました。
| 項目 | 修正前 | 修正後 | 修正率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 675億円 | 746億円 | +10.5% |
| 営業利益 | 68億円 | 100億円 | +47.1% |
| 経常利益 | 64億円 | 102億円 | +59.4% |
| 純利益 | 43億円 | 71億円 | +65.1% |
ここで注目したいのは、売上高が約10%増える見通しなのに、営業利益は約47%も引き上げられたことです。
営業利益率を計算すると、修正前の約10.1%から修正後は約13.4%へ改善します。
これは、単に売上が増えるだけでなく、売上に対して利益を生み出す力が強まる見通しを意味します。
会社が説明した主な需要増加は、半導体関連の圧力センサ、半導体向け圧力計、空圧機器、産業機械・プロセス向け製品です。
ただし、製品別の増益寄与額までは開示されていないため、利益率改善のすべてが半導体向け製品によるものとは断定できません。
🏭 どんな商品が好調なの? ― 半導体工場を支える圧力センサ
長野計器は、圧力計や圧力センサを製造する企業です。

圧力計は、設備の中の圧力を測り、目盛りなどで表示する製品です。一方、圧力センサは圧力を電気信号に変え、機械や設備の監視・制御に利用されます。
今回、特に需要が大幅に増加したのが、半導体工場のファシリティ(工場付帯設備)向け圧力センサです。
半導体工場では、製造装置だけでなく、ガスや空気、冷却水などを適切な圧力で供給する設備も必要です。
こうした工場を支える設備の需要が増えれば、圧力センサにも注文が集まります。
好調は今後も続くのでしょうか?
前回の第1四半期決算後の企業取材では、半導体関連需要の回復が当初想定より早く進み、受注残高も増加していたことが説明されています。
また、半導体業界向け製品の販売構成比が高まると、圧力計・圧力センサの両事業で利益率が改善する傾向があるとの説明もありました。
これは、今回の大幅増益を考えるうえで重要な手がかりです。
ただし、半導体工場の建設・設備投資は、毎年同じペースで続くとは限りません。
競合メーカーの供給制約によって長野計器への引き合いが増えていたという説明もあり、需要増加のすべてが恒久的なシェア拡大とは限らない点には注意が必要です。
つまり、今後の確認ポイントは、半導体設備投資が続くか、受注が実際の売上に変わるか、利益率を維持できるかの3つです。
📊 前回決算から何がわかる? ― 好調の兆候と株価の反応

長野計器は8月12日に第1四半期決算を発表しました。
| 第1四半期実績 | 金額 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 178.83億円 | +12.6% |
| 営業利益 | 20.42億円 | +51.7% |
| 経常利益 | 21.41億円 | +64.3% |
この時点ですでに、売上以上に利益が伸びる傾向が現れていました。
8月の企業取材では、需要回復の前倒しや受注増加が説明されていたものの、当時は通期予想が据え置かれていました。
今回の上方修正は、そうした好調の兆候が会社の年間見通しに反映されたものと考えられます。
前回決算後、株価はどう動いた?
| 日付 | 終値 | 8/12終値からの変化 |
|---|---|---|
| 8/12 決算発表日 | 3,965円 | 基準 |
| 8/13 翌営業日 | 4,115円 | +3.78% |
| 8/14 2営業日後 | 4,420円 | +11.48% |
| 8/19 5営業日後 | 3,790円 | −4.41% |
前回決算後は、翌営業日だけでなく2営業日目にも買いが続きました。しかし、その後は反落しています。
この反落には市場全体の下落や半導体関連株の売りも重なっており、長野計器の業績評価だけが原因だったとはいえません。
今回の上方修正も、企業の好材料と市場全体の動きを分けて考える必要があります。
今回の株価水準も確認
10月23日の長野計器は、終値3,780円、前日比−2.58%でした。
安値は3,585円で、そこから195円戻して取引を終えています。出来高は119,100株と前日の約2.13倍でした。
下値で買いが入った可能性はありますが、これだけで底打ちを判断することはできません。
もう一つ注目したいのが、今回の修正後の利益予想です。
上期の経常利益予想は46億円、通期は102億円。差し引きすると、下期にも56億円の経常利益を見込んでいる計算になります。
会社は、上期だけでなく下期にも高い利益水準を想定しています。
これが、今回の上方修正を一時的な好材料だけでは片づけられない理由です。
🗳️ あなたはどう予想する? ― J-SCFI独自予想とPTS
ここまでの情報を踏まえて、まずはご自身で考えてみてください。
10月26日(月)、長野計器の終値は10月23日の3,780円から、どの程度動くと思いますか?
📮 読者投票|あなたの予想を教えてください
いつも投票にご参加いただいている皆さま、ありがとうございます!
前回の投票もありがとうございました。皆さまの予想を参考にしながら、J-SCFIも市場の反応を学んでいます。
今回も、気軽に直感で選んでみてください。
投資経験がなくても、詳しい分析ができなくても大丈夫です。
「上がりそう」「意外と動かないかも?」そんな第一印象でも、立派な予想です。
正解を競う投票ではありません。予想してから翌日の結果を見ることで、ニュースと株価の関係が少しずつ見えてきます。
投票締切:2026年10月26日(月)午前8時59分
長野計器(7715)の10月26日(月)の終値は、10月23日終値3,780円から何%動くと思いますか?
- +5%以上〜+10%未満 (100%, 1 票)
- +20%以上 (0%, 0 票)
- +15%以上〜+20%未満 (0%, 0 票)
- +10%以上〜+15%未満 (0%, 0 票)
- 0%以上〜+5%未満 (0%, 0 票)
- −5%以上〜0%未満 (0%, 0 票)
- −5%未満 (0%, 0 票)
投票人数: 1
※境界の重複を避けるため、各選択肢は「以上」「未満」で区切っています。
🎯 J-SCFI独自予想
2026年10月26日(月)の終値予想:上昇
| 項目 | J-SCFI予想 |
|---|---|
| 基準終値(10/23) | 3,780円 |
| 予想方向 | 上昇 |
| 中心騰落率 | +8.0% |
| 中心株価 | 4,082円 |
| 本命レンジ | +5〜+11% |
| 想定終値レンジ | 3,969〜4,196円 |
今回、J-SCFIは上昇・中心+8.0%と予想しました。
その理由は、通期経常利益予想の59.4%上方修正、半導体工場向け圧力センサの需要増加、下期にも高い利益を見込んでいることです。
加えて、直近の株価下落によって、好材料をきっかけとした反発が起こる可能性も考慮しました。
ただし、業績改善への期待がすでに株価に織り込まれていた可能性はあります。+8.0%は統計的に算出された確率的予測ではなく、これまでの調査に基づくJ-SCFIの独自判断です。
🌙 独自予想確定後に確認したPTS
| 項目 | PTS参考 |
|---|---|
| PTS表示価格 | 4,050.5円 |
| 基準終値からの騰落率 | +7.16% |
| 始値 | 4,100円 |
| 高値 | 4,201円 |
| 安値 | 4,050.5円 |
| 出来高 | 900株 |
PTS初確認は10月23日22時28分。提供された画面の価格表示時刻は21時09分です。
J-SCFI独自予想の+8.0%に対して、PTS参考価格は+7.16%でした。
中心値との差は0.84ポイントです。
ただし、PTSの出来高は900株と少なく、通常市場よりも価格が動きやすい場合があります。
PTSは独自予想を確定した後に確認した参考情報であり、予想値は変更していません。
🕒 予想・確認時刻の記録
| 項目 | 記録 |
|---|---|
| IR発表 | 2026年10月23日 15:30 |
| 独自予想確定 | 2026年10月23日 22:20 |
| PTS初確認 | 2026年10月23日 22:28 |
| 記事公開 | 2026年10月23日 23:32 |
📚 今回のIRから学べること ― 良い業績と株価の関係
今回の長野計器から、投資初心者が学べることは3つあります。
1つ目は、売上高だけでなく利益率を見ることです。
今回、売上高の予想は約10%増えましたが、営業利益の予想は約47%増えました。
利益率の高い製品が多く売れると、売上以上に利益が伸びることがあります。
2つ目は、前回決算に次のIRを読み解くヒントがあることです。
長野計器では、8月時点ですでに半導体需要の回復や受注増加が確認されていました。
決算は発表された日の数字だけでなく、過去の説明とつなげて読むことで、企業の変化が見えてきます。
3つ目は、業績が良くても株価の反応は別だということです。
株価は、会社の業績だけでなく、市場の期待、直近の値動き、投資家の売買、市場全体の環境によっても動きます。
だからこそ、J-SCFIでは予想を出して終わりにしません。
10月26日(月)の答え合わせ編では、長野計器の実際の終値、日中の値動き、出来高を確認し、今回の独自予想とPTS参考価格を比較します。
「大幅な上方修正を、市場はどこまで評価したのか?」
その答えを、実際の株価から一緒に学んでいきましょう。
🔗 10月26日の答え合わせ編はこちら
長野計器(7715)の株価は、実際にどう動いたのでしょうか?
予想と実績を比べながら、市場が今回のIRをどう評価したのかを振り返ります。
👉 【長野計器(7715)答え合わせ編はこちら】
※答え合わせ編の公開後、上記の文字に記事URLを設定してください。
免責事項
本記事はIR情報と株価の関係を学ぶことを目的としたもので、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。株価予想は将来の結果を保証しません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

